『少年クラブ』昭和36年(1961年)11月号

巻頭を飾る人気連載まんが:手塚治虫『ふしぎな少年』
本号の巻頭を飾るのは、同年5月号から連載が開始された手塚治虫の代表作『ふしぎな少年』である。本作誕生のきっかけは、先に発表された手塚治虫作品『新世界ルルー』の主人公・ロックが持っていた「時間を止める能力」に、当時NHK職員だった辻真先氏が着目したことであった。辻氏の企画・提案により誕生した本作は、NHKでの実写ドラマ化との相乗効果により、当時の子どもたちの間で爆発的な人気を博した。
豪華別冊ふろくの競演:少年雑誌の黄金時代
当時の少年雑誌において、読者の最大の楽しみは別冊ふろくであった。本号には「ふしぎな少年」「ガロロQ」「快傑999」「ロボット三等兵」、そして楠高治による「恐怖のミイラ』の計5冊がラインナップされている。なかでも「恐怖のミイラ」は、その恐怖演出が大人をも震え上がらせた日本テレビホラーの先駆けとなったドラマのコミカライズである。
雑誌の華、組み立て付録:空を舞う「ボストーク2号」
発行部数を左右するほど重要だった組み立て付録。今号では、宇宙への夢を形にした「ボストーク2号」が登場した。6角形の筒を3段につなぎ、輪ゴムの力で空高く打ち上げる構造となっている。3段目の尾翼をひねることで、回転しながら美しく飛行するギミックが施されており、当時の子どもたちを夢中にさせた。

ふしぎな少年
快傑999
ガロロQ
探偵カメラマン
よたろうくん
スリー・コッペ
かみくずおやこ
少年真田十勇士

しおまめくん
がまのすけ

手塚治虫
堀江卓
桑田二郎
一峰大二
やまねあかおに
わちさんぺい
たつみ勝丸
どや一平
原作:宮下幻一郎
滝田ゆう
伊東あきお

7頁
17頁
8頁
21頁
21頁
14頁
8頁
16頁

16頁
13頁

ふしぎな少年 手塚治虫 1961年5月号ー62年12月号
テレビドラマと並行企画された作品で1961年4月3日から1962年3月31日までNHKで放送された。
主人公のサブタンこと大西三郎は、友人たちと遊んでいるうちに地下道の壁に吸い込まれ、四次元の世界に入り込んでしまった。そこには黒い人形のような四次元世界の人間たちがおり、サブタンは「時間よ止まれ」「時間よ動け」と言葉を発することで時間を止めたり動かしたりすることができ、自分自身は時間が止まっても自由に動ける能力を与えられて元の世界に帰った。そしてその力を用いて、人々を危機から救ったり犯罪を食い止めるなどの活躍をする。
サブタンの兄に変装したあやしい男に誘拐されたサブタン・・・アフリカの奥で時限爆弾を持ったオット・アブナーイ教授がライオンに食べられた。そのライオンを大爆発が起こる前、三日のうちに調べることに・・・。

ガロロQ 桑田次郎 1961年9月号~62年1月号
宇宙からの怪物体“ガロロQ”とそれを操る“クロス”を手にした龍二少年の活躍や“クロス”の謎が暴かれ、悪人と奪い合いになるという、変幻自在のSFアクション作品。
連れ去られた三島博士と娘のルミちゃんを助け出そうと、ガロロQと共に悪人の隠れ家に乗り込んだ龍二少年・・・ガロロQを使って2人を救い出せるか。

よたろうくん 山根赤鬼 1956年ー1968年 掲載誌を『ぼくら』に移して足かけ12年の連載
落語に登場する与太郎(よたろう)の名を借りた、性格は呑気で楽天的、ぼんやり者で、何をやっても失敗ばかりするよたろうとしっかり者の弟きんぼうが巻き起こすほのぼのゆかい漫画。『なかよし』連載の「かのこちゃん」は「よたろうくん」のキャラクター設定を愚兄賢妹に置き換えた少女誌版「よたろうくん」とも言える構成で読者の大きな支持を得た。