シリーズ24「さよなら三角」巴里夫

世の中には、ほんのささいなことで、いままで仲のよかった人どうしが、けんかをすることがあります。そして、意地やみえをはっておたがいににくみあうことが、しばしばあります。しかしつまらない意地やみえをすてれば、このお話の主人公ミーコとナーコのように、ちょっとした思いやりや、話あいで、すぐ仲なおりができるものなのです。
りぼんカラーシリーズ24
さよなら三角
A5版 130頁
りぼん昭和40年4月号付録(第11巻5号)
漫画家・巴里夫は、シリーズ作品数が7作と、最多を誇る竹本みつるの9作に次ぐ高い実績を持つ作家である。対象となる作品は、当時すでに貸本漫画の世界で多くの読者から圧倒的な支持を集めていた氏の、満を持してのメジャー雑誌デビュー作にあたる。

巴里夫〈作品の力〉
巴里夫の作品世界では、等身大の少女たちが主人公として描かれ、彼女たちの何気ない日常が主な舞台となる。ストーリーは、誰もが経験するような日常の些細な出来事に心が揺れ、思い悩む少女たちの姿を丁寧に追うものであり、読者自身の生活と深く重なり合うものであった。
このように、作品を通じて発信される温かいメッセージは当時の少女たちの心に深く響き、氏は長期にわたって多くのファンから愛され続けることとなった。
お互いの家でお泊まりごっこをするほど仲の良いミーコとナーコ。しかし、テストの点数が良い「ナーコ」の存在が、二人の関係に影を落とす。成績でナーコに及ばないミーコは、勉強のできる大塚さんたちのグループに優しく迎え入れられるマーコの姿を見て、次第に寂しさを募らせていく。
物語は・・・近所に住む「ミーコ」こと美葉と、「ナーコ」こと奈保子は、ともに小学5年生で同じクラスの大親友。しかし、テストの点数やミーコの家にあるステレオをめぐり、二人の気持ちは次第にすれ違っていく。その葛藤を通して、自分の気持ちに素直になることや、相手を思いやる本当の友情の大切さを学んでいく。
巴里夫〈りぼんでしか読めない漫画が少女誌を席巻する〉
「りぼんカラーシリーズ」で多くの読者の支持を得た巴里夫は、昭和40年7月号より『りぼん』誌上にて『5年ひばり組』の連載を開始する。この連載は昭和44年10月号まで続く長期連載となり、氏にとって最大のヒット作となった。『りぼん』の専属漫画家として『さよなら三角』でデビューした当初は、しばらく「りぼんでしか読めない漫画」として人気を博したが、のちに活動の場を多くの少女雑誌へと広げていく。ライバル誌である『なかよし』での「ドレミファそらいけ!」の連載などは、その代表例である。