昭和30年代初頭の『少女』の漫画は手塚治虫のほか、東浦美津夫・野呂新平・高野よしてる・うしおそうじ・入江しげるといった男性漫画家によるものが中心であった。他誌も石森章太郎(石ノ森章太郎)・ちばてつや・松本あきら(松本零士)らの男性漫画家の活躍が目立った。その後、わたなべまさこ・牧美也子・水野英子といった女性漫画家が増えることで、少女漫画は大きく変貌していく。本誌掲載の「白ゆり行進曲」横山光輝は1955年7月号に連載が開始されると読者の支持を得て瞬く間に『少女』の看板作品になった。

絵物語 泣くな白鳥 勝山ひろし B5+B5ダブルサイズ
昭和20年代末から30年代初頭にかけて、少女雑誌を席巻した絵物語。その絵物語を手がけた画家の中で最も人気を博した勝山ひろし。昭和25年頃から小学館の『女学生の友』に挿絵、口絵を描いて人気を集め、昭和30年代には『少女』『少女クラブ』『少女ブック』『りぼん』『なかよし』と、少女雑誌全般に多数の絵物語を発表した。



そよ風さん 手塚治虫 7頁(4色3+4)1955年9月号 - 1956年1月号
作品について・・・「そよ風さん」はドフトエフスキーの「白痴」の少女版とも読めるストーリーである。無垢な純粋さゆえ周囲の人に理解されない少女(そよ風さん)を主人公にして始まったが、読者の理解も得られなかったようである。1956年1月号でそよ風さんは上京する事になり、その後はタイトルを「ひまわりさん」(1956年2月号 – 1956年12月号)に変えて、ストーリーは上京先の活発な少女ひゆ子が中心でそよ風さんは脇役にまわるという異質の作品であった。
小鳥や、動物のことばがわかるやさしいそよ風さんのものがたり!三太さんもがんばってね。

藤子不二雄の少女漫画『少女』掲載作品
ゆりかちゃん
1954年12月号〜1955年6月号・1954年9月号〜1955年10月号・1955年新年増刊号
光公子
1956年6月号〜1956年10月号・読切版1956年5月号別冊付録
エミーと魔法のビン1955年2月号
うっかりぼうや1955年2月号
母の呼ぶ歌1955年11月号
黄金のすずらん1955年12月号
泣きだした王さま1956年1月号
どろぼうと天使1956年12月号
えり子のしあわせ1957年新年増刊号
雲の中のミカド1957年3月号別冊付録
藤子不二雄の少女漫画他誌掲載作品
バラとゆびわ『少女クラブ』1955年新年増刊号別冊付録
やっぱり女がいいわ『なかよし』1955年1月号
春子の日記『なかよし』1960年夏季増刊号
読切 母を呼ぶ歌 藤子不二雄 5頁

東京から神戸へ引っ越してきた白百合幸子は、転校してきた日にピアノ音楽会の代表に選ばれる。その日の帰り道、偶然一緒になった先生と幸子は、先生の弟、鉄雄がやくざに追いかけられているのに出くわした。ところが、やくざの兄貴分は、幸子の名を聞いたとたんに逃げ出した。 実はその兄貴分のやくざはパンチの健と呼ばれていたが、戦争中に亡くなったと言われていた幸子の兄、健次だった。健次は幸子に出会ったことで改心し、やくざから足を洗おうとする。だが、密輸を密告されることを恐れた組織の親分は、健次の殺害を子分に命じた。殺されそうになった健次を救ったのは、健次を慕う弟分の辰五郎と三次の二人だった。追っ手から車で逃げようとする3人を、偶然通りかかった幸子達はタクシーで追いかけた。後ろから来る車が追っ手だと信じる健次は、山沿いの道で待ち伏せし、タクシーに岩を落とした。事故を起こした車に乗っていた幸子は、幸いかすり傷ですんだが、なぜか右手が動かなくなっていた…… 東光堂から出版された最初の少女もの作品「白百合物語(改題:白百合日記)」を、雑誌用にリメイクした作品。)(横山光輝 official Web)


白ゆり行進曲 横山光輝 2色8頁
前号まで・・・幸子の兄、健次は幸子がおいかけてくるとはしらず、道の上に大岩をころがしてにげさる。あとからおいかけてきた幸子の車はものすごい音をたてて大岩にぶつかった。 やっと見つけたにいさん!その兄のために、白ゆりさんの上に、思いがけないさいなんがかかってきました。



ウララちゃん 水谷武子 2色4頁

前号まで・・・久美子は、にいさんからダイヤをもらいましたが、それをねらう紅バラ女王たちのために、にいさんもおかあさんも、どこかへつれていかれました。そのうえ、いろいろおせわになっている武と正子の家も、ばくはつさせて、こなみじんにしてしまうとおどかされました。三吉は、そのことを知ると、げんかんのよびりんの電池があやしいと、はずしました。


絵物語 うずまくダイヤ 木村光久 2色8頁
「うずまくダイヤ」は、日本じゅうで大ひょうばん!こわい小説のきらいな方は、読まないでね!



お祭りマンボ 小野寺秋風 2色8頁
たのしい秋祭りのある日、町内では、たいへんなできごとがもちあがりました‼︎さてどんなことでしょう?

再会を目のまえにして 病気にたおれた池田いずみをたずねて みしらぬ宝塚をさまようカナリヤさん(青山トモ子)の運命は・・・また 北海道でカナリヤさんの名をよびつづける松田トシエ・・・。そして 川田先生は思いきって東京を旅だちました。


カナリヤさん 東浦美津雄 4頁
ひとりぼっちのカナリヤさんに、しあわせのおとずれるのはいつの日か?いよいよ大ひょうばん!

たったひとりぼっちになってしまったおキヌちゃん!なぞのふりそで頭巾とは何者か?


快傑ふりそで頭巾 うしおそうじ 7頁
前号まで・・・三つ組党はひみつのふりそで友禅をおって街道をくだる。いっぽうおキヌは、ふりそで頭巾にたすけられて地獄谷から京都へやってきたが・・・。


キャラ子さん 野呂新平

チーコちゃん 真下治 2頁


どりちゃん 早見利一 2頁

お菊ちゃんのおばけ!さて、どんなことがはじまるでしょうか?


明治のお菊ちゃん 高野よしてる 5頁
なくなったやみ代さんがのこしていったつぼにはいったお金を悪い印吉がよこどりしてしまった。そのつぼにはわるものがよこどりしたらおばけになって出てやると書いてあったのでお菊ちゃんはそれをとりかえすためにおばけにへんそうしたのです。
