アンソロジー別冊付録 横山光輝・松本あきら・水島順

『少女』1958年(昭和32年)12月号口絵 新年号予告
『少女新年号』は6大ふろく付き
第一ふろく お正月のおしゃれに!バレエブローチ
第二ふろく まい朝めくる!カレンダー
第三ふろく クリスマスお正月用 お手紙セット
第四ふろく 人形表紙のまんがの本 母さんふたり 
第五ふろく 松島トモ子ちゃんが東京であったほんとうのかなしい話
第六ふろく シネスコ型絵はがき

昭和33年『少女』1月号付録:初期の松本零士・横山光輝を収録した貴重なアンソロジー
昭和の少年少女雑誌の「華」であった別冊漫画付録。本作はA5判・160頁の読み応えある一冊である。収録作は、横山光輝の連載「母さんふたり」、水島順の読切「愛のバイオリン」に加え、松本零士(当時:松本あきら名義)の初期読切「ゆうれいの足音」の3作品。松本零士が『少女』誌上で商業誌デビュー(1957年)した翌年の貴重な作品である。背表紙にある「かなしいまんががいっぱい!」の文字とともに、当時の少女たちの心を震わせた稀少なアンソロジーである。

ものがたりは・・・新校舎の落成式の時、泉かえでの学校に辻陽子という世界的なヴァイオリニストが演奏にきた。演奏に感動したかえでは、友達と一緒に陽子からサインをもらった。家に帰って自慢をするが、母は怪訝な顔をする。かえでは兄の健一と一緒のとき、偶然、陽子と出くわす。健一はなぜか陽子と知り合いのようだった。いっぽう、陽子は健一と一緒にいるのが昔別れた娘のかえでであることを知った。かつて陽子は、夫を事故で亡くした。そのとき娘を幸せに育てる自信をなくし、泉家に養女に出したのだった。海外でヴァイオリンの勉強を続け、成功して帰ってきた。日本で、自分の娘に出会った陽子は、愛情が湧き出してきたのだ。だが、会社を経営する弟の鉄雄から、かえでの幸せのためと諭され、後ろ髪を引かれる思いで忘れる決心をする。そんなとき鉄雄が、かえでの現在の父が経営する泉産業について、心配な噂を聞き込んできた・・・。
母さんふたり 横山光輝 第10回48頁 1957年(昭和32年)4月号-1958年(昭和33年)3月号
本作には他に1962年(昭和37年)から翌年にかけて『少女ブック』に「さよならママ!」のタイトルで連載されたリメイク版がある。
ものがたりは・・・物語は、町の高台にある剛田大作の家が売りに出されるところから始まる。そこはかつて、マユリたち4人きょうだいが暮らした家だった。だが、父が飛行機事故で急逝。そのショックで長女の美也子お姉さんが病に倒れてしまう。そこに現れたのが、父の友人を名乗る剛田だった。彼は毎日のように美也子へ薬を届けるようになるが、ほどなくして彼女は帰らぬ人となってしまう。すると剛田は「父親には、亡き美也子しか知らない莫大な借金があった」と言い出し、残されたマユリたち3人を家から追い出してしまうのだった。月日が流れ、金に困った剛田はその家を売りに出す。だが、そこには「亡くなった美也子の幽霊が出る」という不気味な噂が・・・。
ゆうれいの足音 松本あきら(松本零士)48頁
愛のバイオリン 水島順 原作:谷元次郎 64頁