『マーガレット』1963年(昭和38年)創刊3号 

■『マーガレット』は、カラーページをふんだんに投入して『少女フレンド』を猛追する。
巻頭を飾ったわたなべまさこ「ミミとナナ」はカラー4ページを含む計19ページ、松本あきら(松本零士)「川の子守唄」は全7ページが2色カラーで掲載されるなど、ビジュアル面でも非常に豪華な構成となっていた。

■ 芸能に強い口絵と豪華なカラーページ

教育志向の高かった『少女フレンド』に対し、『マーガレット』は前身である『少女ブック』の強みだった「芸能記事」の魅力をそのまま引き継いだ。

口絵には、当時の人気少女モデルであった榊原ルミや浅野寿々子を起用した「小鳥はあなたのお友だち」を掲載。さらに「マーガレット・カラー劇場」と題し、榊原ルミを主役に据えた写真小説「おにいさんの恋人」を展開した。
グラビアは「スターの連休日記」と題して、昭和30年代の少女誌になくてはならない存在であった松島トモ子の「お庭でのんびり日曜画家」と青春映画スター時代の吉永小百合の「ひろった子犬」で、芸能へのこだわりが感じられる。

■ 『マーガレット』創刊の背景
先行して創刊された講談社の『少女フレンド』に遅れること5ヶ月。『マーガレット』は、集英社の少女月刊誌『少女ブック』の後継誌として誕生した。なお、創刊号は全国の書店で無料配布されるという、当時としては異例のスタートを切ったことでも知られている。
■ 創刊期の連載漫画(4作品)
誌面を飾った連載漫画は、『少女フレンド』と同様に4作品であった。
わたなべまさこ「ミミとナナ」:『少女ブック』の休刊時から連載されていた作品で、そのまま『マーガレット』へ移行連載となった。
関谷ひさし「チャッコ」
松本あきら(松本零士)「川の子守唄」(前編)
水野英子「黒水仙」:『少女ブック』終盤に「ファニ」や「バラと白鳥(前後編)」を発表した作者が、創刊を機にスタートさせた日本が舞台の作品である。

ミミとナナ わたなべまさこ 19頁
夢とぼうけんの、ふたごの少女のものがたり‼︎

川の子守歌 松本あきら(松本零士) 7頁

チャッコ 関谷ひさし 15頁
元気なチャッコ!明るいチャッコ!あなたのチャッコのお話、はい、スタート!

『マーガレット』に見る水野英子作品
「黒水仙」(連載6回)終了後、「すてきなコーラ」(連載6回)、「セシリア」(連載7回)、「こんにちは先生」(連載22回)に続き、1964年52号から連載を開始した「白いトロイカ」の連載は35回に及んだ。18世紀後半から19世紀初頭にかけての帝政ロシア時代のクーデターを背景に、農奴として育った貴族の娘ロタがオペラ歌手に成長するサクセスストーリーである。「白いトロイカ」終了後も同誌で瑞々しい佳作を発表し続け、『マーガレット』の黄金期を支える多大な貢献を果たした。本作は、水野がそれまで培ってきた大河ロマンの技法と、少女漫画が持つべき気高きロマンティシズムを極限まで高めた「少女漫画の金字塔であり、ひとつの到達点(頂点)」として、今なお色褪せない輝きを放っている。
黒水仙 水野英子 14頁
美しいかおり、やさしいかおり、黒水仙。でもそれは、死をよぶ。恐怖をよぶ!

写真小説 白ゆりの丘 柏木ひとみ
マーガレットちゃん よこたとくお

【資料に関する注記および謝辞】
『マーガレット』1963年(昭和38年)創刊3号 集英社発行
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本誌には、わたなべまさこ、松本あきら(松本零士)、関谷ひさし、水野英子(※掲載順/敬称略)の、日本の漫画史に不滅の足跡を遺された巨匠たちの気鋭の作品が多数掲載されています。
戦後日本の児童文化・漫画文化の礎を築き、今なお色褪せない感動を私たちに与え続けてくださる偉大な漫画家の方々と、当時の熱量をそのままに素晴らしい雑誌を世に送り出された出版元に、深く敬意と感謝の意を表します。